たしかな愛

半分くらいはフィクションです。

ジャングルで眠りたい

時々、ジャングルのことを考える。

鬱蒼と生茂る緑の中では、誰もわたしに気がつかないだろう。わたしは何時も言葉を間違えるけれど、ジャングルでは全てが意味を為さないので、臆することなく泣いたり喚いたり叫んだり笑ったり歌ったりすることができる。もう何もこわがらなくて良い。数十年分の二酸化炭素を太陽に溶かすのだ。ジャングルでわたしは、その日食べる分の果物をとって、適当な木の上でそれを食べる。夜はバナナの葉を毛布の代わりにして眠る。バナナの葉は大きいから、わたしを完璧にジャングルの一部にしてくれるだろう。わたしはすっかり安心して、バナナの葉にくるまれてぐっすり眠る。そうやって人肌とWiFiが恋しくなるまで、わたし、ジャングルで眠りたい。ジャングルで鍛えた足の裏なら、アスファルトの上だってきっと自由に歩けるはずだ。

眠れない夜、ジャングルのことを考える。