たしかな愛

半分くらいはフィクションです。

愛日

二度寝したまま

落ちてくる春

羽はなくとも

歌はうたえる

 

まぶしい夜に

栞を挟み

さみしい朝に

時々ひらく

 

ほどけた嘘も

アルデンテして

うつくしいまま

平らげるから

 

心配ないと

わらってほしい

不埒なほどに

ひかっていたい

 

ピンクの海を

泳ぎきったら

あくびの後に

忘れてもいい

 

醒めた浴室

くしゃみをひとつ

ふたたび君は

生まれはじめる